鳥取砂丘には16種類の海浜植物が苛酷な環境下、生育しています。
この時期(6月前半)は、可憐な黄色い花のハマニガナ、アサガオに似たハマヒルガオ、カリフラワーのような形のハマボウフウ、など砂丘内は華やかになります。
茎を砂の上を這うように伸ばす匍匐植物のハマヒルガオ葉はクチクラ層に覆われた厚葉です(飛砂に耐えるため)
地下茎を横に直線的に伸ばすハマニガナ地下茎が露出するとすぐに枯れる
地下深く直根を伸ばし単生で生育しているハマボウフウ近年は砂丘内のいたるところで生育している
しかし、植物が生育することで砂が堆積して砂塚ができますが、大きくなると飛砂によって、浸食が始まり削られて根が露出し、崩れて枯れます。
砂の浸食で根が露出しているケカモノハシ
砂塚が崩れて枯れたケカモノハシ
コウボウムギの残骸砂が飛ばされ根が露出して枯れた姿
また、激しい風により砂が飛ばされ植物群一帯の根が露出することもあります。コウボウムギは砂の堆積には適した植物です(上には旺盛に発育します)が、砂が飛ばされて根が露出するとすぐに枯れ、葉鞘部分が繊維化して筆のようになります。
しかし、地下茎で場所を変える植物、種により違った場所で発育する植物、とそれぞれ砂丘植物はシタタカに生き延びています。
コウボウムギの雄株(茶色く変色した雄株)
コウボウムギの雌株(青々しい雌株)
梅雨時期に大発生するアメリカネナシカズラ
海岸部に生育するハマゴウ・ネコノシタ・ハマヒルガオに被害がでます。
私たちは、綺麗な花畑を観賞したり、砂塚の崖の造形美に見とれたりと砂丘内を観察していますが、砂丘植物は厳しい自然環境の中、世代交代を繰り返しながら生育しています。